アニメ・コミック

急に「攻殻」を語る

初対面のかた(年下)と、

いきなり「攻殻機動隊」(原作&アニメ)はいいね!という話で盛り上がり、

あとのメールで、

「まさか、攻殻の話ができるとは思わなかった…」と言われたもので、

今、菅野よう子さんのサントラを聴き直して、しみじみ感慨にふけっています。


「マクロスF」が評判の菅野さんから、ふり返って眺めてしまうと、

「攻殻」に寄せた楽曲は、テイストが相当にハードだったと改めて思います。

SFにのっかることのできる、特定の人たちの感性に、自然にフィットする作り。

作品の大枠が無機質だからこそ、たいそう繊細なウエット部分に上手に手を添えている。

すごく、好きだと、再認識します。


すべては、神山監督のお人柄によるらしいです――作曲家ご本人が言うことを類推すると。

きまじめで、気弱な態度のわりに怒っていて、エンタメには難しいほど、原作にもそこまで描いていないほど、社会派なクリエーターだから。

菅野さんの場合、脚本にはひととおりしか目を通さないそうです。それよりも、説明する監督のボディランゲージに注目して、あのようなサントラ・ミュージックが生まれるらしいです。

監督が言いたいことの、理屈や理念では表現できない部分を補足する音楽。

それって、創作した作品以前に人の本質を見ることだし。

監督の男性性をおぎなう、無自覚な感情の部分を、女神的にみごとに受信して添えた音楽だということなんですね。


袋ラーメン

よしながふみ著
『きのう何食べた?』(講談社モーニングKC)
3巻も、
よい日常感覚していましたねー。

インスタント袋ラーメンがまな板にあがって、
料理人でない、ケンジのほうが作るという回に、
感心しました。
クッキング・ブックではふつう取り上げない、でも、
多くの人間は手軽に参考にできる紹介だ。

私も、ときどき思い出したように、
袋ラーメンを買ってしまいます。
鍋で煮るところに、妙に郷愁があって、
これは子どものとき食べた年代だからか……と思ったりしますが、
野菜をいっしょに入れたり、卵をおとしたりできるあたりに、
カップラーメンより、食べて虚しさが残らないかと。

このあいだ、
「○ッポロ一番」の「塩」のほうに、初めて、
ショウガと長ネギのみじん切りを、
もやし、にんじん、キャベツなどと炒めて、
ラーメンといっしょに煮てつくったら、
スープにショウガの風味が意外においしく効いたので、
「いける」と思ったところでした。
それで、ケンジの料理に共感したみたい。
私には、まねできないけれど(みそは好きでないし)、
要は自分アレンジですよね。

見てきた…

どうしても気になって、昨日、
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を、
見てきてしまいました。

私は、ずっとアニメが好きですが、
かなりピンポイントでしか身を入れないし、
語らう友人などはなく、独りでひっそり入れこむので、
どの程度「そっちのひと」なのか、自覚がないんですけど。

TVアニメで、リアルタイムに追いかけた上に、
VHSビデオを発売月ごとに買いそろえる行為をしたのは、
「新世紀エヴァンゲリオン」と「カウボーイ・ビバップ」だけ、でした。

まさか、今年になって、
「エヴァ」の新作が劇場にかかり(序は、まだリメイクの範囲だった)、
シートベルツのライブコンサートが行われようとは。

1度だけ、私の家にきた氷室冴子さんが、
ずらり並んだ「エヴァ」のVHSを目にしてしまい、
「こういう人だったの…」と、心底驚いていたのを思い出すなあ……

耳たぶ

GWを利用して、大学時代の友人と1泊おしゃべり会を楽しんできました。

そのひとりは昔から、
「ネコ手、ネコ舌、ネコ顔」を自認しているのですが、
あとの二人は平気で持った、お茶のカップが、
彼女には無理だったらしく、
「あちい」と、
両手のゆびで両耳の耳たぶをつまみました。

この行為、ものすごくひさびさに目にした……

で、私ともう一人がたちまち連想したのが、
ブッダの福耳で、大笑いでした。
『聖☆おにいさん』(中村光著・講談社モーニングKC)です。
お互い、読んでいるとも言わなかったのに。

もうあまりに評判のマンガだから、
あらためて書くこともしなかったけれど、
私も3巻までコミックスで読んでます。ウリエル、好き。
(コミックスのカットにある、
温泉のマッサージチェアで力むウリエルがイチ押し)

海外の出版人と親しくしている友人なので、
「国外で読まれたら、抗議がたいへんなことに……」と、
案じながら、マンガはひどくおもしろがっていました。

イギリス人が、キリスト教と完全に切り離して、
科学者として尊敬しているダーウィンも、
アメリカではまだまだ宗教上許せない存在です。
教祖を笑ってマンガにできるのは、日本人が日本人だからで、
しかもそれが大人気になるから、
みょうにしみじみ、国民性を感じますね。

「ジジイ」がね

わたしは、けっして老人派ではありません。
(津守さんは、美老人派とおっしゃっていた気がする。)

10代でトールキン「指輪物語」を読んだときに、
主要人物で最年少のピピンが29歳とは何ごとだと、
憤然としたことを、よく憶えています。
ホビットの成人年齢は30歳だと書いてあっても、カンケイありませんでした。

作品世界中、最高の馬「飛蔭(とびかげ)」の乗り手が、
髭の長い老人ガンダルフとは、まったく許せないことだと、
けっこう本気で思っていました。

ところが、今回、
『HUNTER×HUNTER』の最新第25巻(集英社ジャンプ・コミックス 冨樫義博作)
を、読んだら、
作品中、二人の老人が一番格好よかった。

『なにしろ あのジジイ ワシが乳飲子(ちのみご)の頃からジジイじゃ』

うーん、困ったです。格好いい。

夜中に解説

ここ数年恒例になっている、友人との年末お泊まり会。
今年はみんな、(プランをたてる)時間に余裕なくて
都内ホテル一泊だったのですが、

真夜中をかなり過ぎて、ふとTVのチャンネルを変えたら、
押井守監督のアニメ「イノセンス」が始まったところでした。
「攻殻機動隊」アニメで、
わたしが唯一、観ていなかった作品。

あとの二人には悪いが、これは最後まで観てしまうぞと思っていたら、
アニメにまったくうとい、完全に門外漢の、
大学准教授の友人が、「これはおもしろい」と言い出してびっくり。
演劇における身体感覚論を研究している彼女には、
「サブカルチャーのほうが一歩進んでいるわ。感心」
……てなものだそうです。

しかし、観るは「イノセンス」
状況説明を排除した「ゴースト・イン・ザ・シェル」のそのまた上に
乗っかっているような作品なので、
隣で一から説明することになりました。

もちろん、偉大なのは士郎正宗の原作コミックだと、
わたしはつねづね考えているし、
彼女を反応させたのも、基本的にはその部分です。

しかし、わたしのほうも、
「コウカクキドウタイ」とは、どういう字を書くか、から始めるほど、
何も知らないが興味を抱いた人物に解説するのは、
やけに、新鮮でしたよ。

彼女はそれで、けっこう楽しんだらしく、
見終えて眠った後にも、改めて、
「アニメに詳しいのねえ」と尊敬してもらえました。
ははは……(力のない笑い)
歌舞伎のDVDを観ながら、
副音声の解説をきいているようだったそうです。

アクエリオン

「創世のアクエリオン」のテーマソングが、
今ごろになって、巷に流布しているのはどうしてか、
TVをあまり見ないので、よく知らなかったのですが、
パチンコのせいだって、本当ですか。
CMを、ようやく1回だけ目にしました。

「1万年と2千年前から」のフレーズには、
やっぱり、インパクトを感じますが、
寿命の長さには、ある意味おどろき。
何もかもが、あっというまに移ろって忘れられていく、
昨今に。

オリジナルサウンドトラック2枚目のアルバムに、
AKINOさんとご兄弟のbless4で、
英語訳で、ゴスペル風に歌った
「Genesis of Aquarion」があって、
わたしはこれが、非常に好きなんですけど。
まあ、これも、
本歌を味わってこそのものなので、
気のあいそうな人にはお薦めしています。

HUNTER

集英社 ジャンプコミックス
「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博 作)
第24巻 でましたね。

もう、でるってことを、ほとんどあきらめていたというか。
新刊が出たら買うだろうという自分を、
あきらめていたというか。

本当につい最近、さる場所で、
マンガは何が好きですか、少年マンガでは?
と、尋ねられて、
「ハンター……」と答えたら、たいへん妙な顔をされたのです。
相手がリアクションをなくした、そのことよりも、
「あっ、わたしもすでにストーリーを忘れてしまいましたが」と、
言われる前に言ってしまった自分に、
ちょっと悲しい思いをしました。
だから、このタイミングで新刊が出たことが、
個人的にうれしかったのでした。

そして、読み終わって、
たとえ何年後になっても、次が出たら買うだろうと思いました。
今回みたいに、
18巻から読みなおさないと、記憶がよみがえらない事態になっても…ね。

わたしは、「幽☆遊☆白書」に関してぜんぜん追いかけず、
人気作品になった後で、知識程度にチェックした人ですが、
「HUNTER…」は、1巻から買っているのです。
今は、
やっぱりコムギの造型がすごいなと思うのと、
わきでいきなり個性見せているプフがいいかと。

『あさきゆめみし』

新日本古典文学大系にはさまっている「月報」の、
『源氏物語 三』のぶんに、
大和和紀さんの寄稿が載っているので、ちょっとしみじみしました。
……すでに、95年3月のものですが。
言わずとしれた、マンガ『あさきゆめみし』の作者さんで、
当然、わたしもリアルタイムで全編読みました。

今回も、「末摘花」の巻など、マンガのコマを思い出してしまって。

わたしたちが、脳内になかなか再生しづらい、
寝殿造りの家に住む生活を、
絵として、すみずみまでビジュアル化していて、
その手抜きのなさがすごい、という点で、
のちの、岡野玲子さん『陰陽師』と双璧だと思います。

でも、大和さんは、マンガを読んだら現代語訳や原典にあたってほしいと、
あくまで、少女マンガ・フィルターの源氏物語なのだからと、
そのため、あえてタイトルを『あさきゆめみし』にしたのだと、
「月報」の寄稿に書いていらして、それはそのとおりだと思いました。

大和和紀さんは、
わたしが、小学生時代にピアノ教室でマンガを読み漁っていたころ、
夢中になったマンガ家さんです。『モンシェリ・COCO』とか。
そのくらい、長くマンガを描いていらっしゃる。
『あさきゆめみし』のずっと以前に、
平安朝ラブ・コメの『ラブ・パック』という、コミックス3巻くらいの作品があって、
中ニのころ、これが大好きだったなあ。
光源氏が、夜には黒装束で疾風(かぜ)という名の盗賊に変身しちゃう話。
たしか、『はいからさんが通る』より前に描かれた作品。

平安朝の作品はいいぞ!と、思っていたら、
数年後に、コバルト文庫で氷室冴子さんが平安もの少女小説を発表されて、
大ヒットして、ああ、やっぱりと思ったので、
大和さんは、そうとうに先取りだったはずです。

フラワー・オブ・ライフ

新書館  ウィングス・コミックス

『フラワー・オブ・ライフ』①~④(完結)

よしながふみ著

④刊行 2007年6月15日   定価530円+税

……1年1ヶ月おくれで高校入学をはたした、花園春太郎くんが、
「俺、白血病でした」「でも、治りました」と、
1-D組に自己紹介するシーンから始まるこの作品。

ほのぼの笑える高1の1年間が展開します。
オタク属性の見事なキャラ、真島くんが光っていて、
その方面の要素が濃いながらも、ああ、こういうことあるね、
と、いう、高校生ライフを描ききっています。

作中に、真島くんというサブ主人公への愛を感じる。
いや、わたしが自分で自分の愛を感じたということなのかしら。

テーマがどれほど消費され尽くされていようと、
クリエーターの個性とさじ加減で、
今初めて見たように感じることを、思い知らせる作品です。
すごい、力量です。
ひさしぶりだな、コミックスにこれほど泣かされたのは……

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